クリッピングから見る!
2018年SNSトレンド調査
新聞、雑誌、WEB・・・内外切抜通信社のクリッピングサービスを駆使して、「2018年、SNSで話題を呼ぶ/呼んでいるトレンド」をテーマに調査員が情報収集しました。人の目を通して集めた「生きた情報」をご紹介します。
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約2000紙におよぶ新聞・雑誌媒体 -
WEBは4000以上のサイトを巡回
2018年の「食」トレンド
- ・サブスクリプションの飲食店:会員制・定額制の飲食店
- ・続・韓食ブーム:ティーン世代に引き続き人気
- ・のびるチーズ消費:チーズの消費量が3年連続過去最高
- ・○○系パフェ:食事系パフェや高級志向のパフェが注目★ 注目ワード
- ・飲める○○:「飲める」を冠する食べ物・商品が増加中★ 注目ワード
- ・ムービージェニック鍋:SNSに映える次世代鍋★ 注目ワード
- 総評 -
SNS上では写真映えするようなビジュアルの食品が人気を集める一方で、飲食系業界紙や経済紙上では「食品ロス」削減の取り組みに注目が集まっていた。サブスクリプションの飲食店もその取り組みのひとつ。食事の提供を定額制・会員制とすることで、店側としては余剰食品の無駄を減らすことができ、キャンセル防止にもなるといったメリットがある。ユーザー側としても月額・年額料金を支払うことで特別なサービスを受けられる等のメリットもあり、食通を中心に広がりを見せているようだ。

昨年、チーズタッカルビや韓国風かき氷「パッピンス」など、ティーン世代を中心に盛り上がりを見せた韓国の食文化。その流行は2018年も継続しているようだ。ティーン向けファッション誌では人気エリアとなった新大久保の特集が見られた。買い物しながら食べ歩きができる「ホットク」などの手軽なおやつが人気のようだ。学生世代への韓国フード人気の要因は、見た目が可愛らしい為SNSに映えるという点と、K-POPなどのサブカルチャーの影響もあるという。また、ポスト・チーズタッカルビとして「チーズカルメギサル」という料理も登場している。

経済紙上では、チーズの消費量が前年比で6%増えたという記事が見られた。前述の韓国料理に限らず、おつまみやデザートチーズの需要も増えているとのことで、2018年もチーズを使用した料理の需要が伸びるかもしれない。

2018年の「コト・モノ」トレンド
- ・ライブ配信アプリ:アイドル自ら配信することで話題★ 注目ワード
- ・一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ:女性の間で人気復活★ 注目ワード
- ・カーリング体験:カーリングができるスケート場に注目が集まっている
- ・ホビングリッシュ:ホビー+イングリッシュ=英語で習いごと
- ・次世代AI家電:翻訳イヤホンなど、より身近な存在に
- 総評 -
「コト・モノ」ジャンルにおいて、調査員から最も多く挙がってきた記事が「動画配信」に関するものだった。WEBニュースでは、SNSの投稿で写真よりも動画を上げるようになったユーザーが増えているという記事も見られた。
また、エンタメ業界においても人気アイドルがライブ配信アプリを駆使して自ら配信することがセルフプロデュースの一環として当たり前のようになって来ているという。

平昌オリンピックで大きな注目を集めた競技の一つがカーリングだ。一部のスケート場ではカーリング体験会を実施しているということで注目を集めている。記事によると、テレビ中継をみてカーリングに興味を持った視聴者からの参加希望が相次いでいて、体験会は数か月先まで既に満席とのことだ。

女性向け情報誌によると、習いごと市場において”ホビングリッシュ”というトレンドが注目を集めているという。ホビングリッシュとは、ホビー(趣味)とイングリッシュ(英語)を合わせた造語で、趣味を習いながら英語を学べるという忙しいビジネスマンのニーズに合致した新しい習いごとの形だという。外国人講師の元でワインやカメラを楽しみながら英語も学べるという。

昨年は、GoogleやAmazonが発表したAIスピーカーが大いに話題を呼んだが、2018年は冷蔵庫や洗濯乾燥機、掃除機など、より身近なAI搭載家電に注目が集まると見込まれている。なかには献立を提案する冷蔵庫や外国語の翻訳をリアルタイムで行うイヤホンなど、より実生活に根差しながらも未来を感じさせるAI家電がWEBニュースで取り上げられていた。

2018年の「スポット」トレンド
- ・疲労回復ジム:身体や心の疲れをリセットできるジム
- ・ネオ焼き芋屋さん:各地に現れる変わった焼き芋屋さん
- ・ほぼ新宿のれん街:古民家をリノベーションしたお店が並ぶ趣のあるスポット
- ・2018年NEW OPEN商業施設:東京ミッドタウン日比谷、渋谷ストリームが話題
- 総評 -
昨年末から今年の年初に発表された2018年のトレンド予測として、各メディアで大きく取り上げられていたのが「疲労回復ジム」であった。これは、身体を鍛える目的のジムではなく、心身を癒してリセットするためのジムとのこと。疲労回復のアプローチはジムごとに異なるようだ。SNS上では、ストレッチやサウナ、瞑想など激しい動きを用いずに身体と脳を刺激することで疲労回復を図っているユーザーが見受けられた。

一風変わった焼き芋屋さんが、現れるとSNS上で話題だ。スポーツカーや派手な装飾を施した車で巡回販売する焼き芋屋さんとのことで、その様子は全国紙でも大きく取り上げられていた。
昨年オープンし、SNSでも話題に挙がった新スポットが「ほぼ新宿のれん街」だ。代々木駅至近に古民家をリノベーションした居酒屋が軒を連ねるスポットで、和食、イタリアンなど計7店舗が出店している。民家を活かした趣のある外観は写真映えするということで、SNS上で投稿する人も多いスポットだ。

2018年にオープン予定の商業施設では、「東京ミッドタウン日比谷」と「渋谷ストリーム」に特に注目が集まっている。WEBニュースにおいてもこの二つの施設の露出度は高かった。東京ミッドタウン日比谷は緑と融合した上質な大人の空間として、渋谷ストリームは商業施設だけではなくホテル・ホール等も入居する大規模複合施設として人気を集めそうだ。
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東京ミッドタウン日比谷 -
渋谷ストリーム
©︎東京急行電鉄株式会社
2018年の「注目ワード5件」
① ○○系パフェ
定番デザート「パフェ」に再び注目が集まっている。経済紙や食品系ニュースサイトでは最新のパフェを取り上げた記事が多く見られた。記事によると、最新のトレンドは少し豪華なSNS映えするパフェだという。チョコレートやフルーツなど原料にこだわったものや2000~3000円ほどの高価格帯の”オトナ系パフェ”が人気のようだ。
また、野菜や肉で盛り付けた”食事系パフェ”や”飲みのシメとしてのパフェ”というトレンドも生まれてきている。もともと、北海道では飲み会の”シメ”としてパフェを食べるという文化があったそうで、その流れが全国に及んできているようだ。
なお、次のページではご飯系パフェとして、「とりパフェ」をピックアップ。調査員が実際に調理し、レポートしている。

② 飲める○○
「食」のトレンドを調査する中で、特に目を引くワードが「飲める○○」であった。店名や料理名、商品名に「飲める」を冠するモノが増えてきているようだ。
渋谷や新日本橋等に4店舗を展開している「肉バル 将泰庵」では、「飲めるハンバーグ」が食べられる。肉汁があふれるジューシーなハンバーグは、既にテレビを含む各メディアで多く取り上げられており、著名人のファンも多いそうだ。昨年には高田馬場に「飲めるハンバーグ」の専門店「飲めるハンバーグ」がオープンしている。
また、都内で3店舗を構えるイタリア料理店「ヴィンゴ」では「飲めるローストビーフ丼」を提供している。近年、フォトジェニックでボリュームのあるローストビーフ丼が大きな人気を集めているが、ヴィンゴのローストビーフ丼はまさに”一味違う”仕様。半分ほど食べ進めたところで出汁をかけることにより、ひつまぶし風の「飲めるローストビーフ丼」に変化するそうだ。
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飲めるハンバーグ -
飲めるローストビーフ丼
さらに、変わったものとしては「飲める文庫」というものも…。こちらは、AIが名著の読後感をコーヒーの味で再現したドリップバッグとのこと。太宰治「人間失格」や夏目漱石「吾輩は猫である」など、名作文学6点がブレンドコーヒーで再現されている。(現在は販売終了)

③ ムービージェニック鍋
昨年より引き続き、動画映えするフードやスイーツをSNSで共有することが人気だ。特に若い世代の間では、キレイに撮れる動画アプリを駆使して友達や仲間と「体験」を共有することが楽しまれているようである。
その流れに呼応してか、フォトジェニックならぬムービージェニックな食べ物が続々登場し、動画に映えるような「動きのある」お鍋などが注目を集めている。
次のページでは、トレンドのムービージェニック鍋として「わたあめすき焼き」をレポートしているのでご覧頂きたい。

④ アイドル×ライブ配信アプリ
「動画」の勢いはエンタメ界にも波及している。全国紙、経済紙で大きく取り上げられていたのは、ティーン世代で人気のK-POPアーティストがSNS型の動画配信アプリを上手に駆使し、ファンたちと距離を縮めているという記事だ。世界的に人気のHIPHOPグループ「BTS(防弾少年団)」はアプリを通してコンサートを生配信したという。
また、他のWEB記事によると、日本においても「SHOWROOM」等のアプリを用いて自ら動画配信を行うアイドルが増えてきているとのこと。アイドルもセルフプロデュース力を求められる時代。そのプラットフォームとなれるよう、各企業からもさまざまな動画配信アプリがリリースされているようだ。

⑤ 一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ人気復活
SNSを通してフォトジェニックな写真を投稿するニーズが高まるとともに、若い女性の間では一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラの人気が復活してきているという。カメラ系専門誌においても、その高まりに合わせて女性向けの特集が多く見られた。

会社概要
- 会社名
- 株式会社 内外切抜通信社http://www.naigaipc.co.jp/
- 業務内容
- 各種メディア(新聞、雑誌、WEB、TV、Twitterなど)の情報収集、露出調査、コンテンツ制作、掲載記事の広告価値算出、分析業務
- 設立
- 1968年(創業1939年)
- 従業員数
- 93名(パート・アルバイトを含む)
- 代表取締役
- 近藤義昭
- 住所
- 東京都新宿区大久保3-14-4 毎日新聞社早稲田別館
- 加盟団体
- 国際切抜通信社連盟(FIBEP)
日本パブリックリレーションズ協会
日本広報学会
日本ABC協会