集めた情報でうどんをうったよ

武蔵野うどんとは何か?

そもそも武蔵野とは?

 武蔵野とは埼玉県川越以南、東京都府中までの間に拡がる地域を指す。時代をさかのぼり、江戸後期の書物によると、埼玉県中南部から多摩地区を含む東京都の大部分、さらには神奈川県の一部を武蔵野と呼んでいたようである。

武蔵野うどんの特徴

 武蔵野うどんには、色よくゆでた野菜(糧(カテ)と呼ばれる)を添える。また、汁は関西のものとは異なり、黒い醤油ベースのつゆが使われる。

 麺を打つ時は、地元で採れた小麦粉(地粉)を使い、加水率を低めにする。するとやや茶色がかって見え、小麦粉の風味が残るコシの強い独特の麺が完成する。

武蔵野うどんの歴史

 武蔵野地域の一部であった埼玉には、「朝まんじゅうに昼うどん」という言い伝えがある。朝はまんじゅうを食べて、昼にはうどんを食べる、という (まさにそのままの) 意味だ。だが、なぜ埼玉でこんな言葉が生まれたのだろうか。それは小麦の栽培に埼玉の土地が合っていたため、良質な小麦がたくさん採れたので、冠婚葬祭ではうどんとまんじゅうを必ず作って食べられるほどの縁起物だったからだと言われている。

 ではなぜ、祝いの席でうどんやまんじゅうだったのか。その理由はこうだ。うどんはツルツルッと口に入れ、よく噛んで食べるので、昔の人はそれを、ツルツル・カメカメと言って、めでたい生き物である鶴と亀に結び付けて考えていた。また、まんじゅうの方には、健康と、丸く長いお付き合いを願って作る、という意味があったようだ。ここから、お祝いの席では「うどんとまんじゅうを食べる」習慣ができた。お正月にうどんを作る地域もあり、当時はうどんが上手に作れないと嫁の貰い手がないと言われたほど、生活に密着した食べ物だったようだ。

いざ、うどん打ち

 都内某所のキッチンスタジオ。天気は雨。Twitter調査で武蔵野うどんに着目してから、各自調べた武蔵野うどん店へと足を運んでいた。そうして、さらに武蔵野うどんへの熱が高まった一同は、最高の武蔵野うどんを作るため、調べた内容をもとに自分たちの手で実際に打ってみることにした。

 ちなみに今回のメンバーにはうどん打った経験がある人は誰もいない。わくわくな展開だ。

メンバー紹介

小山社員…神奈川県横浜市出身・2003年入社・クロスメディア戦略部
うどんはつけ汁まで飲み尽くす派

河原社員…東京都三鷹市出身・2006年入社・営業部
祖母(房子91歳・狭山市出身)は粉を預かってうどんを打つ内職をしたらしい

内山社員…東京都練馬区出身・2012年入社・クロスメディア戦略部
好きな麺類は武蔵野うどんとつけ麺

高橋社員…埼玉県鴻巣市出身・2015年入社・制作部
麺が本当に小麦粉、水、塩だけで出来上がることを知り衝撃を受けました

レシピ・材料紹介

 まずは今回の材料を紹介。

 うどんを打つ小麦粉は2種類。埼玉県の地粉である「さとのそら」と「あやひかり」である。ふたつの粉は混ぜて使ったのではなく、それぞれの粉で2回に分けて作った。打ち方も変えたので、その結果を含めてレポートする。

 その他の材料はこちら。

 食べるときのテンションに大きな影響を及ぼすつけ汁の素材はちょっとゴージャス。 北海道産利尻昆布とかつおの厚削り節から出汁をとる。

 糧には、甘い人参として有名なふかうら雪人参と、京都産の九条ネギを使用。 さらに、杉樽天然醸造醤油に、相生古式本みりん。 お楽しみの豚肉には彩の国埼玉の黒豚を使用というこだわりっぷりだ。

今回参考にしたレシピはこれ。

《うどん打ち基本のレシピ》

①塩と小麦粉をよく混ぜます。

②小麦粉にぬるま湯を加減しながら加え、ざっとまとめてから硬めにこね上げます。

③20分以上寝かせます。

④ポリ袋にくるみ、こねた生地をくるんで、くるみなおしながら滑らかになるまで両足で踏みます。

⑤打ち粉をした台に生地をとり、打ち粉をしながらのし棒を使って厚めに伸ばし、屏風だたみにして包丁で切ります。

⑥鍋にたっぷりの湯を沸かし、うどんをほぐし入れます。ひと煮立ちさせたら差し水をして、もう一度煮たら水にとってさらし、ざるに上げます。

(高橋萌子)

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【参考文献】
さやまの家庭料理(狭山市健康づくり推進市民会議・昭和61年3月15日発行)
狭山特産物を生かした料理(狭山市農村環境改善センター・昭和63年3月発行)
埼玉・ふるさとの味(三浦斗波著・埼玉県農林部監修・法規文化出版社・昭和54年9月発行)

この記事は2017年4月に毎日新聞のサイトに掲載したものを再録しております。 内容、経歴などは掲載当時の情報となります。