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2018.07.15

「菜生子♡切り抜け」…!?「アタック25」出演記

7月15日(日)に放送されたクイズ番組「アタック25」(朝日放送・テレビ朝日系列)に出演しました。
なんとトップ賞を獲得し、地中海クルーズまで行けることになってしまいました。

 

「高校生クイズ」地区予選の1問目で敗退した以外にクイズ経験のなかった私が、
なぜこんな結果を得ることができたのか。そのわけは、私たち内外切抜通信社の仕事「クリッピング」にありました。

 

というのは完全に言い過ぎで、ただ運が良かったとしか言いようがありません。
しかし、クリッピングの仕事がクイズに役立った面があったのかもしれません。
そんなわけで、プライベートの話ではあるのですが、今回この場を借りて出演体験記を掲載いたします。

 

文:内山菜生子(クロスメディア戦略部・WEBチーム)
写真:内山菜生子、黒川雄介(制作部)、河原有希子(営業部)

 

 

出演に至るまで

 

 

ご存知の通り、「アタック25」は視聴者参加型のクイズ番組だ。
番組では随時、出演者を募集しており、抽選や筆記試験、面接といったステップをクリアした人が出演できる。

 

今年のはじめ頃、放送を見て「この難易度なら地中海クルーズが狙えるのではないか」と思ってしまった私は
その場の勢いで番組ホームページから申し込みを行い、とんとん拍子に収録に参加できることになった。

※選考方法については以下の記事にわかりやすくまとまっているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

 

アタック25の予選は倍率150倍 出演決定までのプロセス
https://www.news-postseven.com/archives/20170715_589512.html?PAGE=1

 

 

出演決定を告げる電話がかかってきたのは、収録日の約1ヶ月前だった。
私の出る回は「20代大会」、回答席の色は「緑」とのこと。早速勉強に取り掛かる。

 

番組で出題される問題は、おおよそ半分が一般常識、残りの半分が時事問題だ。
「オンエア(7月15日)前後のイベントやエンタメ情報は予習してきてくださいね」とスタッフの方。

 

一般常識は就職活動用の問題集などで補強できるが、時事ネタに関しては、どう勉強したものか少し悩んだ。
少し悩んですぐ答えが出た。「社内の人に頼ろう」。

 

当社の紙媒体をクリッピングする部署は、新聞、業界紙、雑誌の3つの班に分かれている。
業界紙班と雑誌班の長に、上記の目的に沿う媒体を聞いてみることにした。

即、双方から、新聞や雑誌の名前が書かれた長いメールが届いた。なんだか、文面は楽しそうだった。

 

彼らは日々、あらゆるジャンルの業界紙や雑誌に目を通している。
そのため記事のクリッピングだけではなく、図書館のレファレンスサービスのようなことも得意だ。
教わった媒体(一例:日経MJや総合週刊誌)に目を通し、時事問題に備えることにした。

 

私自身はWEBクリッピングの部署に所属しているが、
机を並べて日々ネットニュースを調査している同僚たちも、
放送日前後に話題になりそうな出来事を見つけては教えてくれた。

 

ちなみにこの1ヶ月の間、平日は1日に2~3時間、休日は5~6時間ほどクイズの勉強に費やした。
ひねり出せば時間はたくさんあるのだとよくわかった。今は燃え尽き症候群気味だ。

 


昼休みも毎日勉強

 

いざ、収録へ

 

 

収録は大阪の朝日放送で行われる。平日だったため、休暇を取って大阪へ向かった。
局では、初めて目の当たりにした楽屋(和室!)に興奮したり、テレビ用のヘアメイクをされたり、
パネルの取り方を再確認したりしたのち、リハーサルのためスタジオに通された。

 

 

扉を通り抜けると突然、画面に映るのと同じ、明るくてカラフルな世界が広がり、
他の出演者とともに感嘆の声を漏らした。

 

歩を進めると、遠くの応援席に見覚えのある人物が座っているのが見えた。
直属の上司と先輩、そして役員だった。信じられないのだが、会社から3人もの偉い人が応援に来てくれた。
手に「菜生子♡切り抜け」と書かれたうちわを持って。

 


「切り抜け」は谷原章介さんに少し突っ込まれた。もちろん社名をもじったもの

 

司会の谷原章介さんが現れると、スタジオの空気が引き締まる。
リハーサルが始まり、本番同様に早押しクイズを行った。すると、ボタンが押せない。

 

ほとんどの問題で「これかな?」くらいの精度では答えを思いつく。
しかし、確信がないとなかなか答えられないのだ。
スタジオで誤答すると「お手つき」として、次の2問の解答権が剥奪される。
何より恥ずかしい。

 

間違いを恐れる気持ちが「もう少し考えてみよう」と守りの姿勢を生み、
その間に別の出演者にボタンを押されてしまう。
これがお茶の間とスタジオの最大の違いだと思う。
正答が出るたびに、「私もわかっていたのに!」と、心の中で地団駄を踏む。

 

結局、リハーサルでは1問しか答えることができなかった。
(ちなみに正答できたらパネルを指定する練習もするのだが、
私はルール上入れることができないパネルの番号を叫んでしまった。
谷原さんは「難しいですよね、いまだに僕も間違えますよ」と、改めてルールを説明してくれた。
その優しさが嬉しかった)

 

とにかく本番ではボタンを押そう。
お手つきよりも無回答で終わるほうが怖い。
そう肝に銘じて、不完全燃焼のリハーサルが終わった。

 

 

本番、それは凡人を狂わせる

 

 

さて、本番。ゆりやんレトリィバァさんから出されたオープニングクイズで正解し、
中央のパネルを灯すことができた私は、1問も答えられずに終わる恐怖から解放され、調子に乗り始めた。

 

なんだか、ボタンを押して「緑の方!」と指名されると気持ちいい。
わからない問題もスルーするのが惜しくて、答えたくなってしまうのだ。

 

私は、「他の人が答えそうにないから」という理由で、微妙にわからない問題でボタンを押した。
そして2回もお手つきを出した。いっとき、パネルから緑色が消えた。

 


社名も控えめに入ってます。社員のKさんが急遽作ってくれました!

 

それでようやく悟った。わかる問題だけ、わかった時点で、答えるべきだ。
テレビのスタジオという非日常空間では、そんな当然のことすら、トライ&エラーを重ねないとわからなくなる。

その後は自制心を働かせ、着実な回答を心がけた。

 

しかし、角を狙える問題と、答えると有利なパネル構成になる問題だけは、見切り発車でボタンを押すことにした。
どちらも80%ほどの自信はあったが、「正解」と告げられるまでの数秒間は、主に首のあたりが震えた。

 

「角を取ったときはたくさん喜んでくださいね」と事前にスタッフの方から言われていたので、
無用なサービス精神からカメラに向かってガッツポーズをしてしまったが、きっとわざとらしかったと思う。

 

 

アタックチャンス、そしてフィナーレへ

 

 

残り5問ほど、アタックチャンスに差し掛かる頃には、1番の角をはじめとする左上のエリアはすべて緑が占め、
いつのまにかパネル数は単独トップになっていた。

 

しかし、アタックチャンスで角を抜かれると、すべてひっくり返されるかもしれない。怖い。

 

アタックチャンス。「ノートルダム大聖堂の建築様式は?」全員、答えない。
私も思い当たる答えがあったが、確信が持てず悩んだ。

 

でもいいや、押しちゃおうと思った。恐らくこの間1秒くらい。
ボタンを押し、ゴシック様式、と答え、正解だった。たしか、ここでトップ賞が確定。攻めてみてよかった。

 

ノートルダム大聖堂がゴシック様式だということは、一生忘れないと思う。
次の問題には答えられず、空けた角のパネルは取り返されてしまったけれど。

 

最終的にパネルは16枚になり、最後の映像問題へ。テーマは「湖の名前」だった。
見える範囲は3分の2以上とかなり広かったはずなのに、大事なヒント(小泉八雲の顔写真)は隠れていたことがあとからわかった。
しじみの写真でのみ判断した「宍道湖」で正解。

 

その瞬間、ファンファーレが鳴り響き、取り囲まれてクラッカーを鳴らされたような大騒ぎ、
だったような気がするけれど、もう気持ちがふわふわしていたので詳しいことを思い出せない。

 

ずっしり重くてひんやりした透明のトロフィーを受け取り、落とさないようにしないとと思ったり、
インタビューで「まさか」という言葉しか出てこなかったり、そんな断片だけが、なんとなく残っている。

 


地中海クルーズ行ってきます!

 

おわりに

 

 

私の勝因は何だったのだろう。本番の描写では一切触れなかったことから察した方もいるかと思うが、
クリッピング関係でつけた知識が直接役に立つことはなかった。
とにかく幸運だったとしか言えないし、あえて言うならば、もともと知っていた知識を使って正解を重ねられたのが大きかった。

 

ただ、クリッピング業務で多くのメディアに触れていたことが、自信につながったのかもしれない、とは思う。
大事なときにボタンを押せたことが今回の勝利につながった。
多くの情報を持っているという自負が、ボタンを押す力になる。
その情報は多ければ多いほど、幅が広ければ広いほどよい。
だいぶ無理やりではあるが、トップ賞にはクリッピングが寄与していると言っていいのかもしれない。

 

初めての「アタック25」はすごく良い思い出になった。
この先の人生でこんな良いことは起きないかもとブルーになってしまうくらい楽しかった。
勉強の楽しさを、大人になって素直に感じることができた。

 

一緒に出演した同世代のみなさん、応援や協力をくれたみなさん、
お茶の間のみなさん、そしてこれを読んでくれたみなさん、ありがとうございました。
気になった方はぜひ、予選会に応募してみてください!

 



勉強に使ったノート。覚えたい情報を書き、3~4日ごとに読み返して記憶を定着させた。
とにかく雑学が多い。

 

 

追記

 

 

出演者は番組で紹介される景品のほかに、パネル1枚につき1万円の賞金を受け取れる。
私の場合は16万円。気が大きくなってしまう金額だ。

 

まず帰りの新幹線でグリーン車に乗りそうになり思いとどまった。
その後も、いつもセブン-イレブンで買っている100円のコーヒーを150円のものにサイズアップしそうになったり、
バスが通っている区間をタクシーで移動しそうになったりといったしょぼい浪費の誘惑に駆られながら、日々を過ごしている。

 


賞品のネックレス!

 

最後に、初めてクイズを行う上で、何度も読み返して参考にしていた連載を下記に挙げておきます。
ハイレベルなクイズ競技の話で、もちろんこの領域には一切及びませんでしたが、
「ゾスラ」など楽しい概念をたくさん知ることができました。

 

クイズ王イザワの「分からないこともあります」
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/series/6564/

written by naigai

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